コラム
美容師を辞めたいと思ったら? 転職や独立の前にすべきこと
美容師は憧れの職業として人気を集めていますが、長時間労働や低賃金などの問題もあり、辞めたいと思う人も多いのではないでしょうか。転職や独立を検討している場合、事前にしっかりと準備をすることが大切です。本記事では、美容師を辞めたいと感じる時や辞める前のアドバイスなどをご紹介します。
美容師を辞めたいと感じる時は?
美容師を辞めたいと感じる理由は、以下のようなものが挙げられます。
人間関係が悪い
美容師は接客業であり、職場の人間関係が重要な職種です。人間関係が悪いと仕事に集中できなくなり、辞めたい気持ちになる人が多いようです。また、顧客とのトラブルも、人間関係のストレスの原因になります。
美容師は、お客様の髪や頭皮に触れる仕事です。そのため、お客様からのクレームを受けやすいといわれています。クレームを受けることが多いと、大きなストレスを感じてしまうでしょう。人間関係のストレスを抱えたまま仕事を続けることは、精神的にも肉体的にも大きな負担になります。
給料が安いと感じる
働く時間の割に給料が安いと感じる点も、美容師を辞めたい理由の一つとされています。厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」に掲載されているデータによると、令和4年度の美容師の全国の年収は「約330.1万円」です。
サロンや技術などによっても年収は前後しますが、拘束時間の割に給料が安いと感じる人も多いとされています。
出典:厚生労働省jobtag「美容師」
https://shigoto.mhlw.go.jp/User/Occupation/Detail/116
労働時間が長い
美容師は、立ち仕事で体力を使うことに加え、営業時間外に練習や勉強会があることが多いため労働時間が長く、休みが少ない傾向にあります。また、土日祝日も休みが取りづらく、プライベートの時間が削られてしまいます。そのため、体力的にも精神的にも疲労が溜まり、辞めたいと思う人が多いようです。
体力的につらい
美容師の仕事は、基本的に立ち仕事です。シャンプーやカット、カラーリングなど、さまざまな施術を行うため、長時間立ちっぱなしになることも多いです。また、ドライヤーやヘアアイロンなど、重い器具を扱うことが多いため、腕や肩に負担がかかります。
自分の理想のスタイルと合わない
美容師は、自分の理想のスタイルを実現するために、努力する必要があります。しかし、サロンによって経営の方針は異なります。そのため、自分の理想のスタイルと合わないと感じ、辞めたいと思う人も多いようです。
アシスタント期間がつらい
美容師は、アシスタント期間が2年~4年程度と長いのが特徴です。この期間は、シャンプーやカラー、パーマなどの技術を学び、スタイリストとして一人前の仕事をするための準備期間です。アシスタント期間は、以下のような点でハードであるといわれています。
労働時間が長い
スタイリストの施術補助やサロンの雑務など、アシスタントの仕事は多岐にわたるため、労働時間が長くなる傾向があります。
給与が低い
アシスタントの給与は、スタイリストに比べて低いことが一般的です。また、営業時間後にカットやカラーの練習をすることもありますが、その時間の残業代は出ないことも多いです。
人間関係が難しい
アシスタントは、スタイリストに指示を仰ぎ、技術を教えてもらう立場です。そのため、人間関係がうまくいかず、仕事がしづらいと感じる人もいるようです。
美容師を辞める前のアドバイス
美容師を辞めるかどうか考える際には、以下の点についてもう一度考えてみてはいかがでしょうか。
アシスタント期間に辞めるのはおすすめしない
一般的に、美容師を辞める時、アシスタント期間に辞めるのはあまり推奨されていません。その理由には、以下が挙げられます。
技術が十分に身についていない
アシスタント期間は、技術を身につけるのに必要な期間です。アシスタント期間に辞めてしまうと、技術が十分に身についておらず、転職や独立した後も思うように仕事をすることができなくなる可能性があります。
美容師としての経験が少ない
アシスタント期間は、美容師として成長するための大切な時期です。アシスタント期間に辞めてしまうと、美容師としての経験が少なく、今後転職や独立を考えた場合、苦労する可能性があります。
もちろん、アシスタント期間に辞めたからといって、必ずしも後悔することになるわけではありません。しかし、技術や経験を身につけることで、転職や独立後の成功の可能性を高めることができます。
カットをできるようになってから辞めた方がよい
カットをできるようになってから辞めた方がよい理由は、以下が挙げられます。
技術を身につけた証明になる
カットは、美容師の基本的な技術です。カットができるようになることで、美容師として技術を身につけた証明になります。
転職や独立の際に有利になる
カットができることで、転職や独立の際に有利になります。カットができると、スタイリストとして一人前の仕事をすることができると判断されるからです。
美容師を辞める前に、カットをできるようになっておくことは、美容師としての将来にとってプラスになるでしょう。
上司に相談する
労働環境や人間関係などで悩んでいる場合、まずは上司に相談してみるのもおすすめです。上司と相談することで、解決策を見つけることができるかもしれません。また、上司に相談することで、自分の悩みを理解してもらい、改善してもらうこともできる可能性があります。
辞める理由が明確になっていない場合は、上司に相談することで、自分の気持ちや状況を整理することができます。上司から客観的な意見をもらうことで、辞める理由を見つめ直すことができるでしょう。
また、辞める気持ちがある程度固まっている場合でも、上司に相談して辞める意思を伝えることで、円満退職につながる可能性が高まります。上司が事前に辞める意思を知ることで、引き継ぎやフォローなどの準備をすることができるでしょう。
転職や独立などを考えてみよう!
美容師を辞める間に、まずは辞めたい理由を考えてみましょう。もし、サロンの環境や待遇に起因する場合は、転職を検討するのもおすすめです。特に、サロンの環境や待遇が他と比較して悪すぎる場合は、アシスタントでも転職を検討すべきでしょう。たとえば以下のような場合です。
・教育体制が整っていない
・雑用しかやらせてもらえない
こうしたサロンでは、技術を身につけることが難しいため、早めに転職して次のステップに進むことをおすすめします。
また、美容師の仕事自体が合わないと感じる場合は、独立を検討してもよいでしょう。転職先や独立後のビジョンをしっかりと考えて、後悔のない選択をすることが大切です。
転職をする場合の流れ
転職する場合の流れには、以下のようなものが挙げられます。
転職先の美容室をしっかりと調べる
転職先の美容室の雰囲気や理念、給与や福利厚生などをしっかりと調べましょう。転職先の美容室をしっかりと調べることで、自分が納得できる転職先を見つけられる可能性が高くなります。また、自分の希望や条件を明確にすることで、効率的に転職活動を進めることができるでしょう。
さらに、履歴書や職務経歴書をしっかりと作成することで、自分のスキルや経験をアピールすることができます。面接対策をしっかりと行い、面接で好印象を与えましょう。
美容師専門の転職サイトやエージェントを利用する
美容師専門の転職サイトやエージェントを利用するのも一つの方法です。専門の転職サイトやエージェントであれば、美容師業界に特化した情報を得ることができます。また、効率的に転職活動を進められるでしょう。
円満に辞めるためのポイント
今のサロンを辞める際に円満に辞めるためには、以下の点に気をつけましょう。
退職の意思を早めに伝える
退職の意思を早めに伝えることで、後任の採用や引き継ぎがスムーズに進みます。退職の意思を伝える際は、直接上司に伝えるのがマナーです。
退職理由を正直に伝える
退職理由を正直に伝えることで、誤解を招く可能性を減らすことができます。退職理由を話すのが難しい場合は、前向きな理由を話すようにしましょう。
引き継ぎをしっかりと行う
引き継ぎをしっかりと行うことで、後任がスムーズに仕事を始めることができます。引き継ぎは、仕事の流れややり方、顧客情報など、必要な内容をしっかりと伝えましょう。
独立する場合の流れ
独立して美容室を開業する場合、以下の手順をこなす必要があります。
1.独立の目的や目標を明確にする
・資金や事業計画を立てる
・経営に関する知識を身につける
・美容師免許の取得
2.物件探し
・出店場所や物件の条件を決める
・物件を探す
・物件を決める
・内装工事
3.内装工事の業者を選ぶ
・内装工事の打ち合わせをする
・内装工事を依頼する
・開業準備
4.設備や備品の購入
・メニューや料金の設定
・スタッフの採用
・広告宣伝
5.開業
・開業届を提出する
・オープンイベントを開催する
・営業を開始する
独立の際の注意点
まずは、独立の目的や目標を明確にしましょう。独立して何をしたいのか、具体的な目標を立てましょう。目標が明確になっていないと、モチベーションが維持できず、挫折する可能性があります。
また、資金計画をしっかり立てることが重要です。独立には、初期費用や運転資金など、多額の資金が必要です。資金計画をしっかりと立てて、資金を準備しましょう。
そして、経営に関する知識も身につける必要があります。経営に関するセミナーや講座を受講するなどして、知識を身につけましょう。
美容師を辞めたい時には一度立ち止まって考えてみよう
美容師を辞めたいと思ったら、まずは辞めたい理由を明確にすることが重要です。辞めたい理由がサロンの環境や待遇の場合は、転職を検討しましょう。一方、美容師の仕事自体が合わないと感じる場合は、独立を検討してもよいでしょう。まずは冷静に自分の状況を分析し、今後の方向性を決めることが大切です。しっかりと準備をして、後悔のない選択をしましょう。